親のアパートや貸家を引き継ぐ前のチェックリスト


 親がアパートや貸家を持っていると、

「毎月、家賃が入ってくるなら、喜んで相続したい!」
と思うかもしれません。


確かに
賃貸不動産には家賃収入があります。


でも
実際に引き継ぐのは
「家賃」だけではありません。

建物の修理
入居者への対応
空室、借入金の返済……。

大家さんとしての仕事や
責任も一緒に引き継ぐことになります。


だから私は
賃貸不動産については
「いくら家賃が入っているか」
だけではなく

引き継いだあとも
無理なく経営できるのかを
相続前に確認しておくことが大切だと思っています。



① 家賃ではなく「いくら残っているか」

まず確認したいのは
年間の家賃収入です。

でも、
それだけでは十分ではありません。


固定資産税、火災保険
管理費、共用部分の電気代
保守点検費用、修繕費など

賃貸住宅を維持するには
さまざまな費用がかかります。

さらに、給湯器やエアコン
外壁、防水などの修理が重なると
大きな支出になることもあります。


「年間500万円の家賃が入っている」
と聞くと魅力的に感じますが

大切なのは
経費や借入金の返済をしたあと
実際にいくら残っているのかです。



② 借入金はあとどれくらい残っているか

アパートを建てたときの
借入金が残っている場合は

残高や返済期間も
確認しておきたいところです。

築年数が経ってくると
周辺に新しい賃貸住宅が増えたり

設備が古くなったりして
今までと同じ家賃では
入居者が決まりにくくなることがあります。

だからといって
簡単に家賃を下げられるとも限りません。


毎月の借入金返済があれば
家賃を下げるにも限界があります。

家賃、空室、修繕、借入金。

このバランスを見ておく必要があります。



③ 空室が増えても大丈夫か

今は満室でも
これからも満室とは限りません。

築年数が経てば
入居率はどうしても気になってきます。


一部屋空いたらどうなるのか。

二部屋空いたらどうなるのか。

その状態でも
借入金や固定資産税
修繕費を払っていけるのか。


「何部屋の空室まで耐えられるのか」
「何か月の空室まで耐えられるのか」
なども確認しておきたい数字です。

現在の入居状況だけではなく
少し空室が増えた場合も
想定してみることが大切です。



④ 入居者への対応は誰がするのか

賃貸経営は
お金の問題だけではありません。

「エアコンが壊れた」

「お湯が出ない」

「隣の部屋の音が気になる」

そんな連絡が入ることもあります。


管理会社に任せていたとしても
修理するかどうか
費用をいくらかけるかなど
最終的に所有者の判断が
必要になる場面があります。

こうした対応を
負担に感じる方もいます。


相続するということは
収益だけではなく

大家さんとしての
精神的な負担も
引き継ぐということです。



⑤ 「一括借り上げだから安心」と思っていないか

建築会社や管理会社による
一括借り上げを利用している場合も
内容を確認しておきたいところです。

「毎月決まった家賃が入るから安心」

と思っているご家族もいらっしゃいます。

でも、大切なのは契約の中身です。


今の賃料が
今後もずっと続くとは限りませんし

修繕について
誰がどこまで負担するのかなど
確認しておきたいことがあります。

親御さんは内容を理解していても
相続する子ども世代は

契約内容をほとんど知らない
という方が多いのが現状です。


相続してから
初めて契約書を読むのではなく

できればその前に
一度確認しておきたいところです。

(私自身、読んでも
その会社独自のシステムなどで
「これは何の費用?」など
分からない部分が多いですけどね)



⑥ これから10年、持ち続けられるか

最後に考えてほしいのは
今ではなく「これから」です。

建物は毎年古くなります。
設備も交換時期を迎えます。
入居者のニーズも変わります。

借入金が減っていく一方で
大きな修繕が
必要になる時期もやってきます。


だから、

「今、家賃が入っているから大丈夫」

だけではなく、

このアパートや貸家を
これから5年、10年と
持ち続けた場合どうなるのか。

そこまで見ておくことが大切です。


家賃が入る不動産だからこそ
相続前に確認しておく


アパートや貸家は
相続できれば
必ず得をする不動産ではありません。


逆に、
古いからすぐ売った方がいい
と決めつける必要もありません。


収入がどれくらいあるのか。

経費はいくらかかっているのか。

借入金はいくら残っているのか。

修繕はいつ必要になりそうなのか。

そして、
誰が大家さんとして
関わっていくのか。


こうしたことを
一度整理してみると、

「このまま引き継ぐ」

「修繕して続ける」

「将来は売却する」

といった選択肢を
考えやすくなります。


家賃収入が
あるかどうかではなく

引き継いだあとも
安心して経営を続けられるか。

親のアパートや貸家を
相続する予定がある方には

ぜひ相続前に
確認していただきたいと思います。





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株式会社 丸浜不動コンサルティング 

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 代表取締役 髙山幸也 

<取得資格>
公認不動産コンサルティングマスター 相続対策診断士
宅建マイスター
CPM®(米国公認不動産経営管理士)
宅地建物取引士
賃貸不動産経営管理士
賃貸住宅メンテナンス主任者
ICA公認相続対策コンサルタント