スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

8月, 2020の投稿を表示しています

収益物件の初期投資分析-安全性-負債回収比率(DCR編)

  収益物件の実力を数字で確認 今回は、収益不動産の「安全性」について。   収益不動産を 銀行からの借入で購入する場合、 その物件の家賃収入で ローンの返済ができるか? 非常に気になります。   「ローンのリスクの安全性」   このリスクの部分を 数字で把握することができます。   収益不動産の利回りである 「効率」と同じくらい 今回の「安全性」も非常に大切です。 この両方を見ることによって、リスクが下がります。   今回お伝えするのは DCR (デッドカバーレシオ)   DCR は、 負債回収比率 とも言われ、 購入する物件から得られる家賃収入で、 銀行の融資を返していけるかを判断する指標です。   ローン返済が大丈夫かどうか? 安全性を確認できます。 ■ DCR (負債回収比率)の計算方法 DCR の計算に必要な数字は2つ ・営業純利益( NOI ) ・ 年間負債支出( ADS )   * NOI や ADS につきましては、 キャッシュフローのページ でご確認いただけますので、よろしければご覧ください。   営業純利益( NOI )が、 ローンの年間支払額である 年間負債支出( ADS )に対して 、 何倍あるかを計算することにより、 物件のローン返済能力をみます。   【計算式】  DCR =営業純利益÷年間負債支出 DCR =( NOI )÷( ADS ) ■ DCR の目安は 1.3 以上 営業純利益( NOI )が 年間負債支出( ADS )より、どのくらい多ければ安全か? これに関して、これだ! といった正解の数字はありません。 その人のリスクに対する考え方によって変わってきます。 あえて数字をあげるなら、 広く一般的に認識されている目安は 1.3 以上。 借入返済額の 1.3 倍以上の 営業純利益( NOI ) があれば安全圏内と判断されるケースが多いです 。     ■ DCR を計算してみよう 次のような条件の物件購入を検討するとします。 DCR =営業純利益 ÷ 年間負債支出 DCR =( NOI )÷ ( ADS ) DCR=80 万円÷ 55 万円 DCR = 1.4

収益不動産の初期投資分析-効率性をみる3つの指標編

  収益物件の実力を数字で確認 投資物件などの収益不動産が どの位の利回りで運営されているかなど、 効率性を確認する為の指標をご紹介します。   投資に対するリターンはどの位なのか? 物件そのものが持つ実力(収益力)は? 現金で購入した場合の利回りは? 自己資金に対する利回りは? 簡単に言うと 「儲かっているかどうか?」をみる指標です・・・   その投資の利回りを確認することで、 投資判断をする事ができます。 また、 ローン定数( K% )と比較することによって、 投資のレバレッジ状態を確認できます。 それでは、3つの指標を順番にご紹介します。 ■効率性をみる3つの指標 ① 総収益率( FCR ) フリー・アンド・クリアリターンの略 購入資金総額に対する正味収入の割合です。 物件そのものが持つ実力で、 現金購入した場合の利回りとなります。 【計算式】 営業純利益(ネット収入)÷総コスト(諸経費を含んだ購入資金総額)   ② 自己資金配当率( CCR ) キャシュ・オン・キャッシュ・リターンの略 その投資に使った自己資金が、 どの位の利回りで運用されているかを見ます。 自己資金の運用利回りとなります。 【計算式】 税引き前キャシュフロー÷自己資金   ③ ローン定数( K% ) 銀行からの借入に対する返済額の割合で、 借入の際の金利とは異なり、 借入残高に対する元本と金利を合計した返済額の割合です。 資金調達コストとか銀行の利回りなどと言われています。 【計算式】 年間負債支出(年間の元利返済額)÷借入残高 ■3つの指標を比較する ①>③かつ②>③ならプラスのレバレッジ ①      <③かつ②<③ならマイナスのレバレッジ 理想は ②      >①>③   自己資金配当率( CCR )>総収益率( FCR )>ローン定数( K% )   投資の効率性を見る場合は、このような状態になることを意識しましょう。   【収益不動産で大切なこと】 収益不動産は 、 出口を迎えて ようやくその投資が良い投資だったのか マイナスだったのかといった結果が出ます。 購入する際はもちろん、 運営中も出口を意識して計画していきまし ょう。 ※本Blogに掲載

収益不動産の初期投資分析-レバレッジ編

  収益物件の実力を数字で確認 投資の世界でよく耳にする「レバレッジ」 意味を調べてみると、 なんだか難しい事が書いてあって、 最終的に 「てこの原理」という説明で終わっている なんてことありますね。 不動産投資でのレバレッジの意味は、 銀行からの借入金を利用して、 自己資金の何倍もの大きな金額で 投資(資産運用)すること。   「少ないお金で、大きなお金を動かす」 この部分が、 「小さな力で大きな物を動かす」 という原理に似ているので レバレッジ(てこの原理)と表現されています。   このレバレッジには、 プラスに働くレバレッジだけでは無く、 マイナスに働くレバレッジもありますので、 注意が必要です。 ■レバレッジ判定に必要な指標  ① K% (ローン定数) 借入に対する返済額の割合     ② FCR (総収益率)   全額自己資金の場合の初年度利回り 物件そのもののが持つ力    ③ CCR (自己資金配当率)   自己資金に対する初年度利回り   物件の条件や借入条件によって変わる   この3つの指標を使って   全額自己資金で購入するよりも、 借入して購入した方が 自己資金に対する 利回りが高くなり、 借入をしてまで 投資する価値があるか? などの、 「レバレッジ判定」を行います。 ■プラスのレバレッジ K% < FCR かつ、 K% < CCR 理想は  K%<FCR < CCR 銀行ローン使って投資したほうが良いという合図     ■マイナスのレバレッジ K% > FCR > CCR 銀行ローンを使わない方が良いです     ■もっとレバレッジを効かせるには 次のような対策を 行うことによって改善が見込まれますが、 リスクの増加も考慮して総合的な判断が必要です。 ①      自己資金を減らし、借入額を増やす。 (但し、キャシュフローは下がります) ②      銀行と交渉して金利を下げて、返済期間を延ばす。 (どちらか一方という事も想定されます) ■レバレッジの効果ってどのくらい? ここでは、 全額自己資金での投資と 借入を行った場合とでのレバレッジの違いを 分かりやすく

収益不動産の初期投資分析-K%(ローン定数)編

  収益物件の実力を数字で確認 K%( ローン定数 ) とは 「銀行からの借入に対する返済額の割合」のことで、 いろんな条件のローンを比較する時や、 投資のレバレッジ判断に役立ちます。 「資金調達コスト」とか、 「銀行の利回り」などと呼ばれる時もあります。 私たちが不動産の投物件を購入するとき、 大体は銀行から借入を行って 資金を用意しますよね。 その不動産から、 どの位のリターンがあるか? などの利回りを検討しています。 この投資分析を、銀行側から見ると、 銀行は、 私たちにお金を貸すことによって、 どの位のリターンがあるか? などの利回りを検討します。 私たちが不動産に対して 投資を行っているのと同じように、 銀行も私たちに対して 投資を行っているという事になります。 この時の、銀行の利回りが「 K% 」になります。 ちなみに、 K% は元本と利息を含んでいます。 借入金の元本と金利の返済に、 毎年借入額の何%が必要か? という指標です。   【K%の計算式】 K%= 年間負債支出( ADS )÷借入金額(残高)× 100 例えば、 銀行から 1,000 万円借入して、 年間 100 万円の返済をしていた場合 100 万円÷ 1,000 万円× 100 = 10 % K%=10 %  となります もう少し詳しく説明しますと・・・   まずは、前提条件。 価格: 1,000 万円 表面利回り: 10 % 借入金額: 900 万円 自己資金: 100 万円 銀行への年間返済額: 80 万円(年間負債額 ADS ) このような、 年間 100 万円の収入があって、 銀行へは 80 万円支払う物件があったとします。   この投資は、 1 年間で 100 万円の収入がありますので、 図で表すと次のようになります。 この収入のうち、出資した金額に対する 本来の取り分はこうなります。 出資した割合に応じて、収入を分ける 当然ですね・・・ でも、 今回の銀行からの借入条件ですと 銀行への支払いは 年額 80 万円で良いことになっています。 各自の取り分は、次の図のようになります。 100 万円の収入の内、 銀行への返済分( ADS )は 80 万円。 残りの 20 万円は