収益物件の実力を数字で確認
投資の世界でよく耳にする「レバレッジ」
意味を調べてみると、
なんだか難しい事が書いてあって、
最終的に
「てこの原理」という説明で終わっている
なんてことありますね。
不動産投資でのレバレッジの意味は、
銀行からの借入金を利用して、
自己資金の何倍もの大きな金額で
投資(資産運用)すること。
「少ないお金で、大きなお金を動かす」
この部分が、
「小さな力で大きな物を動かす」
という原理に似ているので
レバレッジ(てこの原理)と表現されています。
このレバレッジには、
プラスに働くレバレッジだけでは無く、
マイナスに働くレバレッジもありますので、注意が必要です。
■レバレッジ判定に必要な指標
①K%(ローン定数)
借入に対する返済額の割合
②FCR(総収益率)
全額自己資金の場合の初年度利回り
物件そのもののが持つ力
③CCR(自己資金配当率)
自己資金に対する初年度利回り
物件の条件や借入条件によって変わる
この3つの指標を使って
借入して購入した方が
自己資金に対する
利回りが高くなり、
借入をしてまで
投資する価値があるか?
などの、
「レバレッジ判定」を行います。
■プラスのレバレッジ
K%<FCRかつ、K%<CCR
理想は K%<FCR<CCR
銀行ローン使って投資したほうが良いという合図
■マイナスのレバレッジ
K%>FCR>CCR
銀行ローンを使わない方が良いです
■もっとレバレッジを効かせるには
次のような対策を
行うことによって改善が見込まれますが、
リスクの増加も考慮して総合的な判断が必要です。
①
自己資金を減らし、借入額を増やす。
(但し、キャシュフローは下がります)
②
銀行と交渉して金利を下げて、返済期間を延ばす。
(どちらか一方という事も想定されます)
■レバレッジの効果ってどのくらい?
ここでは、
全額自己資金での投資と
借入を行った場合とでのレバレッジの違いを
分かりやすくする為に、
数字を丸めてざっくりと説明します。
こんな感じなんだ・・・
といったイメージだけ持っていただければと思います。
【前提条件】
物件取得価格:1,000万円
自己資金:100万円
借入金:900万円
金利:2%
借入期間:20年
K%:6.07%
営業純利益(NOI):80万円
年間負債支出(ADS):55万円
税引き前キャッシュフロー(BTCF):25万円
ケース①
全額自己資金で購入した場合
(NOI)÷(物件取得価格)=FCR
80万円÷1,000万円=8%
FCR=8%
ケース②
900万円借入して購入した場合
(BTCF)÷(自己資金)=CCR
25万円÷100万円=25%
CCR=25%
この場合ですと、
全額自己資金の場合の利回りが8%
借入(900万円)した場合の利回りが25%
という結果になりました。
そして、
銀行の利回りでもあるK%と比較した結果、
プラスのレバレッジとなっていることが分かります。
K%<FCR<CCR
6.07%<8%<25%
収益物件ご購入前の初期分析を行う際
このような計算を知っていると役立ちます。
今回お伝えしている「レバレッジ判定」は
投資物件の購入時である
初期の投資分析についてとなります。
投資期間全体の利回りを
比較検討する方法は別にあります。
今回よりもう少し複雑になりますが
また今度お伝えします。(IRRと金利を比較する編)
【収益不動産で大切なこと】
「賃貸不動産経営コラム」に一覧表として掲載しています。
よろしければ、そちらもご覧ください。
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