収益物件の実力を数字で確認
K%(ローン定数)とは
「銀行からの借入に対する返済額の割合」のことで、
いろんな条件のローンを比較する時や、
投資のレバレッジ判断に役立ちます。
「資金調達コスト」とか、
「銀行の利回り」などと呼ばれる時もあります。
私たちが不動産の投物件を購入するとき、
大体は銀行から借入を行って
資金を用意しますよね。
その不動産から、
どの位のリターンがあるか?
などの利回りを検討しています。
この投資分析を、銀行側から見ると、
銀行は、
私たちにお金を貸すことによって、
どの位のリターンがあるか?
などの利回りを検討します。
私たちが不動産に対して
投資を行っているのと同じように、
銀行も私たちに対して
投資を行っているという事になります。
この時の、銀行の利回りが「K%」になります。
ちなみに、
K%は元本と利息を含んでいます。
借入金の元本と金利の返済に、
毎年借入額の何%が必要か?
という指標です。
K%=年間負債支出(ADS)÷借入金額(残高)×100
例えば、
銀行から1,000万円借入して、
年間100万円の返済をしていた場合
100万円÷1,000万円×100=10%
K%=10% となります
もう少し詳しく説明しますと・・・
まずは、前提条件。
価格:1,000万円
表面利回り:10%
借入金額:900万円
自己資金:100万円
銀行への年間返済額:80万円(年間負債額ADS)
このような、
年間100万円の収入があって、
銀行へは80万円支払う物件があったとします。
この投資は、
1年間で100万円の収入がありますので、
図で表すと次のようになります。
この収入のうち、出資した金額に対する
本来の取り分はこうなります。
出資した割合に応じて、収入を分ける
当然ですね・・・
でも、
今回の銀行からの借入条件ですと
銀行への支払いは
年額80万円で良いことになっています。
各自の取り分は、次の図のようになります。
100万円の収入の内、
銀行への返済分(ADS)は80万円。
残りの20万円は、自分の取り分となります。
この、
銀行への返済分(ADS)がK%になります。
「銀行からの借入に対する返済額の割合」です。
借入金に対するレバレッジ(CCR)をみるときも
このような考えに基づいています。
K%の計算方法が分かったところで、
いろんな条件の借入をK%で比較検討してみましょう。
K%(ローン定数)とあるように、
金利と返済期間が同じ場合、
借入額が変わってもK%は同じ(定数)です。
従って、
K%は金利と期間で決まります。
この事実を知った時、
私は何度も計算を繰り返してしまいました・・・
そうだったんだ・・・って感じです。
さて、それでは確認していきましょう。
■金利が同じで、期間が違う場合
■期間が同じで、金利が違う場合
K%を計算することによって、
いろんな借入条件を数字で比較検討することができるようになります。
この、「数字で比較検討」がポイントです。
なんとなく、
この条件がいいかな?
ではなく、
数字ではっきりと
結果が出ますので、比較検討に便利です。
そして、
このK%が分ってくると、
金利を下げる話をした方がいいのか?
返済期間の延長をお願いしたほうが良いのか?
銀行との借入交渉に大変役立ちます。
キャシュフローを多く得たい場合は、
年間支払額の少ないローンを選択。
純資産を増やしたい
(バランスシートを改善したい)場合は、
元本返済が多くなる期間が短いローンを選択。
こんな事を検討することもできます。
最後に・・・
借入条件によっては、
事務手数料が融資額の1%とか、
一括返済をする際の
違約金がローン残債の1%などの
諸条件がありますので、
「実質金利」を確認しながら計算してください。
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