2020年8月18日火曜日

収益不動産の初期投資分析-FCR編(利回り)

 収益物件の実力を数字で確認

アパートやマンションなどの

収益不動産物件の広告を見ていると、

「表面利回り」という文字をよく見かけます。


実はこの「利回り」

いくつかの種類があります。


今回は、投資分析に大切な「利回り」についてお伝えします。



■3種類の利回り

収益不動産の初期の投資分析をする際に用いられる「利回り」


代表的なものは以下の3つです


    表面利回り

    ネット利回り(実質利回り)

    FCR(総収益率)


まずは「利回り」についての説明の前に、

収支内訳(キャッシュフロー)から見ていきましょう。


まず、家賃が入ってきて、

空室損や運営費を差引いたものが

営業純利益(NOI



そこから、借入金の返済金である

年間負債支出(ADS)差引いた残りが

税引き前キャッシュフロー(BTCF)です。


このお金の「流れ」を見ながら、考えていきます。


※キャッシュフローについての詳しい説明はこちら



  表面利回り

年間で入ってくる家賃収入を物件の価格で割り戻したもの。


ここでは分かりやすく、

総潜在収入(GPI)を収入として計算します。


【計算式】

  年間家賃収入÷物件価格×100


 仮に、年間家賃収入が100万円あって

 物件価格が1,000万円だった場合


100万円÷1,000万円×10010


表面利回り10


これが、一般的に言われている「表面利回り」というものです。

 

 

ネット利回り

先ほどの「表面利回り」よりは、

もう少し現実の収支に

近づいて計算されたもので、

「実質利回り」とも表現されます。


表面利回りとの違いは、

収入金額になります。


ここでは、

ネットの収入=実質の収入として計算します。


キャッシュフローツリーの中の、

営業純利益(NOI)を、

物件価格で割り戻します。


【計算式】

営業純利益(NOI)÷物件価格×100


 仮に、年間家賃収入が100万円あって

 空室リスクや運営費等を差引いた、

 営業純利益(NOI)が80万円

 物件価格が1,000万円だった場合


80万円÷1,000万円×1008


ネット利回り8




実は、①と②は同じ家賃収入で、

物件価格も同じという設定で計算しました。



年間に入ってくる家賃が100万円、

価格が1,000万円といった

同じ物件でも、


表面利回りの場合は10

ネット利回りの場合は8

違いがでましたね。

 

よし、

これからは「ネット利回り」で計算しよう!

と思われた方も多いと思いますが、


もう少しお付き合いください・・・

 

 

実は、もうひとつお伝えしい「利回り」があります・・・


  FCR(総収益率)  

FCR(フリーアンドクリアリターン)

といった投資指標で、


上記①②との違いは、

諸経費も含めた「総事業費」を使うところです。


収益物件を購入するときには、

登記料、取得税、仲介手数料などの経費がかかります。


FCRでは、

不動産購入時に必要となる「諸経費」も含めて計算します。


全額自己資金の場合の初年度利回りとも呼ばれています。

(全額現金で購入した時の利回り)


【計算式】

営業純利益(NOI)÷(物件価格+諸経費)×100


 仮に、次のような条件で物件を購入したとします


これを図で表すと、こんな感じになります



キャッシュフローツリーは、

今まで計算してきた物と同じとして、


年間家賃収入が100万円、

空室リスクや運営費等を差引いた残りの

営業純利益(NOI)が80万円とします



FCRの計算式は、NOI÷(物件価格+諸経費)ですので・・・


80万円÷(1,000万円+100万円)×1007.27


FCR 7.27



先ほどの②で計算した

「ネット利回り」よりも厳しい数字になりました。


しかし

実際には諸経費も必要となりますので


こちらで計算した数字の方が

本来の物件の力に近づいた数字だと言えます。

 

不動産広告に記載のある

「表面利回り」だけで判断するのではなく、


このような「FCR」で、

物件の実力をみて投資判断をすることが重要です。


【今回のまとめ】

収益物件の初期分析は、FCRで判断する


【今回の事例計算結果】

・表面利回り 10

・ネット利回り 8

FCR 7.27

 


【おまけ】

「とにかく利回りの高い物件が欲しい!」

といったリクエストを頂戴することがあります。


利回りが高いという事は

リスクが高いという事です。



利回りが高いほうが

良い投資物件と思われがちですが


実は、利回りを高くしないと売れない

といった理由もありますのでご注意を!




 【収益不動産で大切なこと】

収益不動産は出口を迎えて
ようやくその投資が良い投資だったのか
マイナスだったのかといった結果が出ます。

購入する際はもちろん、
運営中も出口を意識して計画していきましょう。


※本Blogに掲載した内容は、当社ウェブサイト内

「賃貸不動産経営コラム」に一覧表として掲載しています。

よろしければ、そちらもご覧ください。



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