収益不動産を購入するとき、
金融機関の融資を利用する人が多いと思います。
資金を貸す側の金融機関は、
融資の安全性とリスク、
そして
その融資から得られる利益などを
分析して融資条件を決めます。
基本的には、
物件価格より融資額が低いのが一般的ですね。
そして、
物件価格に対する融資額の割合を示す指標は、
ローン資産価値比率(LTV)といって
パーセンテージで表されます。
(LTV○○%)
これは、
価格に対する借入金の依存度をみるのに役立ちます。
計算方法は非常に簡単で、
借入金額を物件価格で割れば求められます。
借入価格÷物件価格
金融機関からすると、
ローン資産価値比率(LTV)が高いほど、
「リスクが高い融資」となる訳で、
当然金利も高くなると考えられます。
しかし、
ローン資産価値比率(LTV)が
高いということは、
借りる側にとっては、
少ない自己資金で
投資を行えることになりますので、
高いレバレッジで
運用できるという事にもなります。
少し話題がそれてしまいました。
融資金額(借入金額)が高い融資ほど、
リスクが高いと思われがちですが、
果たしてそうなのでしょうか?
今回は、
5,000万円の収益物件の融資を
金融機関へ相談したと仮定して、
AとBの2つの融資を比較していきます。
融資Aの融資金額は3,500万円
融資Bの融資金額は4,000万円
この部分だけ注目して、
融資Bの方が
リスクが高いという意見もありますが、
実は、
金利と返済期間も
一緒にみることが重要です。
上の表からも分かるとおり
融資の年間返済額は、
融資Bの方が少ないので、
手残りの金額は
融資Bの方が多いという結果になります。
次に、
融資の安全率を見てみましょう。
家賃収入より運営経費を差引いた
残りが400万円だったとします。
安全率は、
手残り400万円と融資の年間返済額を使って求めます。
融資金額のほかに、
ローン資産価値比率(LTV)も、
金利も融資Bのほうが高いですが、
じっくりと紐解くと、
融資Bのほうが安全といった結果になりました。
(安全率は数字が高い程安全とみなされています)
もう少し深堀して、
この場合の自己資金に対する利回りも見てみましょう。
この場合の融資AとBの
自己資金に対する利回りは次のようになります。
このように、
融資金額だけで融資のリスクを判断するのではなく、
融資条件全体、
そして運営諸経費などを
差し引いた手残りの金額(税引き前)なども
考慮して判断されることをお勧めします。
※融資条件や家賃収入によって
どちらが良いかは変わってきます。
常にこのような結果になる訳ではございません。
案件ごとに検討する必要がありますのでご注意ください。
=おわり=
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