賃貸収益物件の
現状分析をする時に考えておくべき
「空室率」
過去のコラムでも何度かでてきましたが、
今回は別の考え方(計算方法)を
ご紹介します。
ポイントは、
現状の空室を把握することと、
年間でどの位の空室があるのかを
ヒアリングすることです。
3階建、計12戸の賃貸マンションが
あったとします。
現在、3戸空いているとすると、
時点ベースでの空室率は
3戸÷12戸=25%
空室率25%となります。
これは、現時点での空室のことで、
ずっとこの状況ではありません。
もっと精度の高い空室率を求めるには、
オーナーへの
ヒアリングがヒントになります。
調査すべき(聞くべき)内容は、
・年間で退去となる戸数
・次の入居者が決まるまでの日数
おおよその数字で構いません。
今回は、
「年2~3戸の退去があって、
決まるまでに3ヶ月かかる」
とします。
これが分かると、
次のような計算ができます。
① 解約率を計算する
年間2.5戸の退去があるとすると
2.5戸÷12戸≒21%(解約率)
② 平均居住期間を計算する
平均居住期間は
1÷解約率ですので、
1÷21%(解約率)=4.76年
この物件の入居者の
平均居住期間は
4.76年と分かります。
これを、月数にすると、
4.76年×12ヶ月
≒57ヶ月となります。
③ 稼働率の計算
稼働率は、
(平均居住期間月数)÷(平均居住期間月数+決まるまでの月数)で求めます。
57ヶ月÷(57ヶ月+3ヶ月)
=95%
この物件の稼働率は、
95%ということが分かります。
④ 空室率の計算
空室率は、
1-(稼働率)で求めます。
1-95%=5%
空室率は5%となります。
時点ベースだと25%だった空室率が、
以上の計算によると
5%であることが分かりました。
このように、
空室率は現時点での
空室数で考えるのではなく、
年間で何戸くらいの退去があって
入居が決まるまでは
どの位の日数がかかるのか?
などをヒアリングなど
調査をして
計算するようにしましょう。
=おわり=
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