ただ闇雲に
家賃の値下げを推奨している訳ではありませんが
近隣類似物件より明らかに割高の設定で
問合せ反応が鈍かったりしたときは
オーナー様へ
「値下げ」の提案をしています。
それとは別のパターンで
「あと5,000円値下げしてくれたら借りる」
といった
値下げ交渉があった場合、
どのような考え方で決断をしますか?
今回は、この値下げの考え方、捉え方についてみていきます。
事例①
家賃10万円で募集開始
6ヶ月後に入居が決まった
その後3年間居住
このようなケースの場合、
3年半(42ヶ月)となります。
入ってきた賃料は、
3年分(36ヶ月)になりますので
合計360万円。
10万円×36ヶ月=360万円
募集開始から退去までの
期間の収入(実行家賃)は
月額約87,500円。
360万円÷42ヶ月=85,714円
6ヶ月間がんばって、
家賃10万円で入居が決まったのに、
実行家賃で計算すると、
85,000円になってしまいます。
最初から、
15,000円安くして貸したのと同じ結果になります。
事例②
家賃10万円のところ
5,000円値下げしたら
すぐに入居が決まった。
この場合の家賃は、
95,000円になります。
事例①のように
決まるまで6ヶ月間
そのままの家賃で募集するよりも、
早く決まるなら、
値下げしたほうがオーナー様にとって
良い結果になっています。
事例③
家賃10万円で募集開始
2ヶ月後に入居が決まった
その後3年間居住
事例①と似たケースです。
2ヶ月で決まった場合どうなるのか?
募集開始から退去までの期間は
3年2ヶ月(38ヶ月)となります
入ってきた賃料は、
3年分(36ヶ月)で、合計360万円
(10万円×36ヶ月=360万円)
募集開始から退去までの
期間の収入(実行家賃)は
月額約94,700円
(360万円÷38ヶ月=94,736円)
募集開始から
2ヶ月で決まったとしても、
事例②と比較して、
そんなに差がありません。
こうやってみてみると、
空室期間が長くなれば長くなるほど
値下げしたことと
同じ結果になりますので、
決断されるなら
早いほうがお得
という事になります。
再度、申し上げますが
ただ闇雲に
家賃の値下げを推奨している訳ではありません。
単なる値下げは、
物件力と環境の低下スパイラルに陥ります。
どの辺りまでなら
許容範囲といった事を考え
値下げ交渉があった時や
リフォームしても、
物件をキレイに保っても
なかなか決まらない場合など
値下げに
早く対応することが必要な場面もあります。
そして、
月額家賃の金額にこだわった結果
実質的な家賃は少なかった・・・
といった事にならないようにしましょう。
「賃貸不動産経営コラム」に一覧表として掲載しています。
よろしければ、そちらもご覧ください。
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