収益物件の実力を数字で確認
不動産投資の指標の中にIRRという指標があります。
IRRは、
インターナル(内部)
レート・オブ・リターン(収益率)の略で
日本語だと「内部収益率」となります。
これだけでは、よく分からないですよね。
投資向けの本などを見ると
「投資額の現在価値と、
投資により得られる期間内の収益と売却益の
現在価値の総和が等しくなる割引率」
なんて書いてあります。
ますます分からなくなってきますね。
自分も、最初に教わった時、
一体何のことなのか?
さっぱり理解できませんでした。
IRR(内部収益率)を簡潔に説明すると、
不動産を保有している期間中の収益と
最終の売却益を考慮して計算した利回り(収益率)。
不動産投資は、
購入して、運用して、売却や処分などの出口を迎えて、
投資が終了となります。
この投資期間全体の実績を、
収益率という数字で表したもので、
投資期間中の収益売却までを考慮した1年あたりの利回りになります。
不動産の収益は、大きく分けて3つの場面に分けることができます。
① 物件を購入した時にかかった費用
投資した金額のことで、これには、銀行からの借入金も含みます。
② 持っている期間に得た収入
家賃収入から経費や借入金などを差し引いて残った利益。
③ 売却して得られた収益
借入金が残っていた場合は、売った金額より差引いた残りになります。
これらを全て考慮した計算で求めた、
投資期間中の1年あたりの「利回り」です。
少しはイメージ出来ましたでしょうか?
このIRR(内部収益率)は、
投資の最初から最後までのすべての収支を
経過年数内の単年度利回りで求めています。
投資額と、投資に伴う収益の額が
同額の場合は0%になります。
そして、収益が上回った場合にプラスとなります。
上記③で「売却」とありますが、
自分は売らないよ!!
そのような方も多いと思います。
売らなくても、
このような考え方をする事が重要なのです。
その時点で売却したと仮定して、
価値を見込んで計算することによって、
どの位の効率で運営できているかを確認することができます。
そんな場面では、
複数年および複利の概念を持った指標である
内部収益率(IRR)なら、同じ土俵になり比較する事ができます。
事例をもとにIRRを確認!
【事例】
初期投資額:1億円
期中の損益(BTCF):500万円
5年後の売却手取額:1億円
このような内容の物件があったとします。
計算を分かりやすくする為に、
借入金なしで購入したことにします。
この物件の5年間の収支は次のようになります。
最初に1億円を投資。
保有期間中は毎年500万円の収益があって
5年後に売却した後の手取額が1億円の場合です。
この場合のIRRを計算すると
IRR=5%
このようにして、
投資の最初から最後までを考慮して
投資の効率を考えることが大切です。
難しそうなIRRの計算、
自分は、金融電卓で1年毎の数字を入力して教わりましたが
実はExcel関数で計算できるんです!
これを知った時、感動しました・・・
今まで苦労して電卓で計算していたのが
一瞬で計算結果がでます・・・
【今回のまとめ】
IRRとは、
投資期間中の毎年の収益と終了時の売却益を考慮した
1年あたりの利回り(収益率)のこと。
不動産投資は、
最初の単年度の利回りではなく、
投資期間全体で、
しかも保有期間中のリスクも含めて分析することができる。
IRRはその為の指標。
「賃貸不動産経営コラム」に一覧表として掲載しています。
よろしければ、そちらもご覧ください。
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