収益物件の実力を数字で確認
収益不動産のリスクを回避するためには、
「安全性」を確認していく必要があります。
今回お伝えするのは
BER(ブレークイーブンレシオ)
損益分岐点です。
その投資にはどの位リスクがあるのか?
安全性はどうなのか?
これを知ることによって、
物件がどのくらいの空室まで耐えることができるのか?
数字で分かるようになります。
■BER(損益分岐点)の計算方法
BERの計算に必要な数字は3つ
・総潜在収入(GPI)
・運営費(Opex)
・年間負債支出(ADS)
収益不動産を運営するにあたって、
必ず出ていくお金(経費)は、
運営費(Opex)と
ローン返済額である年間負債支出(ADS)になります。
それに対して、
入ってくるお金は、総潜在収入(GPI)です。
BER(損益分岐点)の計算は、
運営費と年間負債支出を足したものを
総潜在収入で割ります。
【計算式】
BER=(運営費+年間負債支出)÷総潜在収入×100
こんなイメージになります
それでは、事例に基づいて損益分岐点(BER)を計算してみましょう
BER=(運営費+年間負債支出)÷総潜在収入×100
BER=(15万円+55万円)÷100万円×100
BER=70%
この物件のBERは
70%であることが分かりました。
今回の場合、
総潜在収入(GPI)に対して、
運営費(Opex)と年間負債支出(ADS)を合計した
経費が70%となっていますので、残りは30%。
残りの30%が意味するものは・・
この物件は、
30%の空室まで持ちこたえることができる!!
ということを意味します。
■1年間で空室になっても大丈夫な月数は?
上記の事例の計算結果より
BERは70%と分かりました。
1室あたりで必要な1年間での稼働日数を、
最低必要稼働日数といいます。
これを計算すると、
365日×BER70%=255.5日
半端なので256日とします
1年間のうち、経費として出ていく日数は256日分。
残りの日数は、
365日-256日=109日
1年間で、109日までは空室に耐えられるという事です。
109日というと、約3.5ヶ月
1年間で3.5ヶ月間空室でもなんとか収支が合うという事が分かります。
■1年間で空室になっても大丈夫な戸数は?
最低必要稼働戸数を数字で把握することもできます。
上記と同じ事例で、
BER70%とした場合、
【例1】
1棟6戸のアパートの場合
6戸×70%=4.2戸
仮に5戸とすると、
1年間で1戸空室まで大丈夫。
【例2】
1棟15戸のマンションの場合
15戸×70%=10.5戸
仮に11戸とすると、
1年間で4戸空きまで大丈夫。
こんな考え方を持って、
収益物件の安全性を数字でみることができます。
その物件周辺の空室率が何%なのか?
というのも大切な指標ですが、
それとは別に、
そもそもこの物件自体、
何%の空室に耐えられるのか?
を確認するのも必要です。
このような方法で
「空室リスク」を確認してみましょう。
運営費と年間返済額をカバーする為には
どのくらい空室があっても大丈夫か?
これを知ることによって、
安心感を数字で確認できます。
こういった考え方で、
収益物件を計算すると
損益分岐点が高めの物件は
リスクが高いなど
自分の判断基準の指標を持つことができます。
BER(損益分岐点)は、
低いほうが安全度が高くなります。
一般的には、
70%~80%以下に抑えると安全だと言われています。
【収益不動産で大切なこと】
「賃貸不動産経営コラム」に一覧表として掲載しています。
よろしければ、そちらもご覧ください。
得意エリアは佐鳴台2km圏内
CPM®の視点で不動産コンサルティング