収益物件の実力を数字で確認
収益不動産の利回りと言えば、
「表面利回り」とか
「ネット利回り」が代表的です。
その他に、
不動産購入時の諸経費も含めて計算する
「FCR」という指標もあります。
今回お伝えする指標は「CCR」
銀行ローンを利用して物件を購入する場合に
大切な指標となりますので、
この指標も必ず確認しましょう。
「CCR」って何?
「自己資金配当率」のことです。
「自己資金の運用利回り」を意味します。
($/$%)などと
表記されることもありますが、
これでは何だか分からないですよね。
簡略して説明しますと、
銀行借入をして不動産を購入した場合に、
投資した自己資金に対して、
1年間でどれだけお金が戻ってきたか?
自己資金が、
どのくらいの利回りで運用されているか?
これを確認する投資指標です。
いくらお金を入れたら、いくら戻ってくるか?
こんなイメージで考えてください。
まずは、収益不動産のお金の流れである
キャシュフローツリーから説明します。
今回検討する物件は、
価格1,000万円、
諸経費100万円で、
借入の条件などは下記のとおりとします。
借入金900万円、金利2%、期間30年の場合、
年間返済額(ADS)は、
399,189円となりますが、
ここでは分かりやすく
年間の返済額を40万円としました。
キャッシュフローはこんな感じになります。
年間家賃収入(GPI)が100万円
空室リスクや運営費等を差引いた残りの
営業純利益(NOI)が80万円
借入金の返済(ADS)が40万円
税引き前のキャッシュフロー(BTCF)が
40万円だったとします。
この物件の場合、
価格が1,000万円で、
100万円の家賃収入がありますので、
表面利回り10%
ということになります。
CCRを計算してみる
では、
自己資金の運用利回り(CCR)はどうなるのでしょうか?
CCRは、
使った自己資金に対して、
税引き前キャッシュフロー(BTCF)がどのくらいだったか?
といったところみます。
【計算式】
CCR=BTCF÷自己資金×100
※BTCF(税引き前キャッシュフロー )
今回のケースでは、
自己資金200万円を投資して
1年間で40万円戻ってきた
ということになります。
上記の計算式とおりに計算すると
40万円÷200万円×100=20%
CCR 20%
自己資金の運用利回りは20%
自分のお金を20%で運用していると考えられます。
計算して分かったこと
表面利回り10%の物件だったけど、
実は20%で運用していた!
ということになります。
注意点①
基本的にCCRは年数が経過するごとに下がっていきます。
1年目の利回りが一番高いケースが一般的なので、
単年度での分析も必要です。
自分のお金が
どのくらいで運用されているのか
を確認する指標で、
投資の判断材料になります。
注意点②
CCRが高いから良い投資という訳ではありません。
利回りが高いということは、
効率よく自分のお金を運用できていることを意味しますが
借入金が多いことが理由で、
借入金の返済比率が高くなっている場合もあります。
ですので、
自己資金の利回りだけに着目して、
ここだけを上げるといった考えは危険です。
その他の指標も見て、
総合的な判断が必要となります。
「リターンが大きいということは、
リスクも大きい」という事ですので注意してください。
注意点③
CCRという指標は、
キャシュフローに対するレバレッジをみている指標です。
CCRの計算では
元金支払いをコストとして計算されます。
投資期間全体をみた指標とは異なりますのでご注意ください。
【収益不動産で大切なこと】
「賃貸不動産経営コラム」に一覧表として掲載しています。
よろしければ、そちらもご覧ください。
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