相続対策の現場では、「相続税を減らすために借金した」という話をよく聞きます。
はたして、借金は本当に相続対策になるのでしょうか?
2回目の今回は、借金でアパートを建築した場合についてみてみましょう。
まずは、結論から。
土地活用としてのアパート建築は、借入金を使って行っても、現金で行っても、下がる評価額は同じです。借入金があるから相続財産が減ったという訳ではなくて、不動産を上手に使ったから相続財産の評価額が減る現象が起こります。
現金を、他の資産に変えたから評価が下がったという訳です。
現金を建物の評価額(固定資産税の評価額)という「資産」に変えて、なおかつ、人に貸したから評価が下がるのです。
ですから、借金が残っているから相続財産の評価が減ったという訳ではありません。
借金はあくまで、「アパートを建てるだけの手持ちの現金が無いから借りた」というだけのこと。繰り返しになりますが、建築する資金の「現金」があるなら現金で建築しても下がる評価は同じです。
こうやって考えると、「相続税の対策として借入金はあったほうがいい」という話は、そうでは無いことが分かります。
では、なぜ現金を不動産に変えると、相続財産の評価が下がるのか?
不動産はすぐに現金に換金できません。
さらに、他人に貸していた場合、すぐに返してもらうのが困難だからです。
専門的な説明になりますが、現金を建物に変えて人に貸すと、借家権割合や貸家建付地評価などといって、借地権や貸家権の割合(貸してる割合)を引いてもらえます。
決してお金を借りたから相続財産の評価が減るのではなく、不動産を使って評価を下げたから相続財産の評価が減る(圧縮できる)ということになります。
次回は、現金でアパート建築した場合と借金で建築した場合を、数字で検証していきます。
【ポイント】
答えを一つしか持っていない人に、相続対策の相談をするのは避けましょう。
=おわり=
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