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遺言と登記の関係①




「相続による権利の承継」

 遺言による財産の取得と、

それを第三者に主張するための要件を

「対抗要件」といいます。


旧民法では基本的に、

遺贈で取得した財産は、

登記がなければ第三者に対抗できない

とされていました。


しかし、

遺言で現実に誰が遺産をどの割合で

取得するかを指定する「相続分の指定


あるいは、

誰が現実にどの遺産を取得するのかを

指定する「遺産分割方法の指定」

による取得であれば、

登記がなくても

第三者に対抗できるとされていました。

 

例えば父親が遺言で

「私の不動産は長男(A)に相続させる」

と書いてあれば、


先に第三者に登記されてしまっても

長男(A)は登記の抹消を

請求できることになっていました。


このように、

第三者が知り得ない

遺言の内容によって登記が覆ることは、

取引の安全を害すのと同時に

登記への信頼も害することになるのが問題点でした。




そこで改正法(新民法)では、

相続による財産の取得について、


遺言または遺産分割協議に

よるかどうかにかかわらず、


法定相続分を超える部分は

対抗要件が揃っていなければ、

第三者に対抗できない

(権利主張できない)としました。

これを、対抗要件主義といいます。

 

今回の例の場合、

長男(A)以外の相続人(B)が、

Aより先に単独で法定相続分による

相続登記を行い、

Bの持分を第三者に譲渡(売却)して

所有権の移転登記をしてしまったり、


Bの債権者がBの相続分を

差し押さえて登記することが可能です。


すると、

長男(A)は、これらの登記の

抹消を請求することができません。

 

したがって、

父親が「長男(A)に相続させる」

という遺言を残していても、


先に他人の登記が入ってしまうと、

その登記を消してもらう事が

出来なくなってしまいます。

 

このような事が

起こらないようにするには、


遺言に基づいて早急に

長男(A)名義に相続登記することが求められます。


次回は、

早急に相続登記を行なう為に

準備できる事をご紹介します。


=おわり=



※本Blogに掲載した内容は、当社ウェブサイト内

「賃貸不動産経営コラム」

一覧表として掲載しています。

よろしければ、そちらもご覧ください。


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